ハラダマホさん、山中組木工房さんのコメント
こんにちは。メトロクス、ヨダです。
開催中の「あたらしいクラフトのカタチ」展、残すところもあと二日になりました!
沢山の新作、限定品をご覧いただける機会ですので、是非足を運んでいただけたら嬉しいです。
メトロクスは都営三田線、御成門駅から徒歩二分のところにありますが、
細い路地沿いなので迷われる方もいらっしゃいます。
私も、初めてお店に来たときは、ここかな…?とおそるおそる来たものでした。
ただ、夕方から夜になるとひときわ目立ちます。
夜は7時までオープンしていますので会社帰りの方もぜひ。
さて、前回に続き、作家さんのコメントをご紹介していきたいと思います。
今回は練り上げの器の作家、ハラダマホさんと、山中組木工房、山中成夫さんのコメントをご紹介。
作家さんには、
1)今回催事のために制作して頂いた作品について
2)ご自身が考える「あたらしいクラフトのカタチ」とはどのようなものでしょうか?
という2点についてお伺いしています。
まずはハラダマホさんのコメントです。
1)今回の作品についてお聞かせください。
私は、練り上げの技法の面白さに惹かれ、この技法で制作しています。
模様と色の組み合わせによって平面のデザインの段階では予期しなかった驚きがあり、
他の陶芸技法とは違った感覚が生かせる気がしています。
2)ご自身が考える「あたらしいクラフトのカタチ」とはどのようなものでしょうか?
私自身、「あたらしいカタチ」を探りながら制作しているわけではなく、
作りたいものを日々作っています。
作品は、見る方々それぞれに好きに見て頂きたい、と思っています。
色土を幾重にも積んで模様を作って行くため、接着面が馴染むのに
1ヶ月〜3ヶ月の寝かしを必要とする「練り上げ」技法。
そんな根気のいる作業を経て完成するハラダさんの作品は、
軽やかで、柔らかい色と模様が特徴です。
名前もとっても面白くて、「カーニバル」や「みかん」「ぜんまい」「まめの木」など。
言葉の想像と抽象的な模様がぴったりと重なって、いつも楽しみにしています。
ハラダさん、素敵な作品とコメントをありがとうございました!
続いて、山中成夫さんのコメントです。
1)今回の作品についてお聞かせください。
今回発掘されたネコやカンガルーの組木はMETROCSの社員さんが来られた折、
工房展示室に飾ってあった中から選択された品々で、これは4代目が受け継ぎ製作してから、
ネコは36年ぶり、カンガルーは26年ぶりに限定生産されたものです。
ネコについて…1931年、3代目の広吉が当時自宅にて飼っていた猫がモチーフとなったものです。
さまざまな動物の考案、製作の中でネコは「伸びのポーズ」となる生活の中の動きを見事に捉えた秀品で、
当時は世界デザイン大会においても話題の作品でした。
カンガルーについて…1933-1934年頃にかけて3代目の広吉が考案、制作した動物のシリーズの一つです。
各面取り部分が多く、製作泣かせの秀品です。
2)ご自身が考える「あたらしいクラフトのカタチ」とはどのようなものでしょうか?
新しいモノを求める風潮の昨今、古き良きモノの中に新しいクラフトの発見もあります。
1954年に製造されたキッコーマンの醤油瓶が2000年にグッドデザイン賞を受賞し、
弊社の3代目の広吉においては1931年に製作されたゾウも同じく
2007年度にグッドデザイン賞の受賞となりました・・・。
時代を超えてもなお、愛される形こそデザインクラフトの原点と思います。
今回の催事では、山中組木工房の四代目の成夫さんに
三代目の広吉さん考案のネコとカンガルーを限定復刻していただきました。
長い歴史を経て見つけられる「あたらしさ」。一見相反するようですが、
今再度、新鮮な目でクラフトの作品を見るにあたり、その根底はかわらず私たちの目や考え方が
変化しているのだな…と考えさせられました。
本当にいつも優しく、明るくスタッフに対して接してくださる山中さん、ありがとうございました!
そしてまだまだコメントはつづきますが、今回はこの辺で。
次回は、切子ガラス作家の吉田順子さんとガラス作家の高梨良子さんのコメントをご紹介します。