鈴木稔さんワークショップ参加の記録

みなさん、こんにちは。
メトロクス:タニです。
先月からずっと楽しみにしていた、益子の鈴木稔さんによる
フリーカップのワークショップに参加してきました。
場所は渋谷にオープンしたヒカリエ8Fにある、D&Departmentさん。
デザイントラベルストアの一角がワークショップのスペースに。
鈴木さんの器は以前からメトロクスでも取り扱いをさせて頂いており、昨年は
伊藤さんとの展示会も企画。工房にもお邪魔し、製作の工程
見学させて頂いたことはありました。
でも、実際に自分の手で製作をすることは初めて。32年の人生でろくろを
回した経験もありません。そんな自分が出来るのだろうか?なんてことは
全く思わず、とにかくやってみたい!という気持ちで参加しました。
今日はその、器を作ることを経験できた感動の記録です。

ところが実は、大変残念なことに、昨日の様子を何度かブログにも登場している
小野寺隊長にお願いし撮影してもらったのですが、その画像が今日の朝
確認するとどこかへ消えてしまっていました。。。何度もメディアを抜き差しし、
画像が無いことを確認すること数十回。現実を受け止められないとはこのこと。
facebook上でも皆さんにお謝りもうしあげております。
大変申し訳ございませんでした。
幸いなことに、何枚かは携帯電話で撮影したものがありましたので、
ブログではその画像で書きたいと思います。嗚呼、涙。。。。

D&DEPARTMENT
僕の持ち場です。この回の参加者は6名。鈴木先生の厳しい指導での
製作でした。

D&DEPARTMENT
手前に3つならんだ器がフリーカップ。これを作っていきます。
板の間にあるのが益子の土からできた粘土です。
それぞれ参加者みんな自分の分をカットします。これがなかなか難しくて、
「僕ってば、なんて不器用なんだろう・・」と思いながらの作業でした。
土も思ったより堅く、思ったようにスムーズには行きません。
「手仕事の洗礼」を受けたような感覚でした。

で、それから5mmにカットした薄い土を半分にカットします。その半分が
鈴木さんの器の特徴である「割り型」にはめるパーツの一つになります。
その型に土をはめていくのですが、この作業もすごく難しい。ただ手で
押し当てるのではだめで、型にそって土を添わせていく、という作業です。
そうしないと、焼成したときに歪むなどの不具合が生じるからだそうです。
D&DEPARTMENT
みなさん熱心に無言で取り組んでいます。ちなみに僕と鈴木さんは
おそろいの濱田Tシャツ、ペアルックです。
「濱田庄司と作る、益子焼:鈴木稔の器」ですね。次はメトロクスでも
こんなタイトルの企画でもやろうかな。濱田Tシャツを着た人ばっかりが
あつまって、みんなでワークショップをするとかね。

3つの割り型で完成するフリーカップ。3つ全てに土をはめ終えたのが
こちらの画像。
D&DEPARTMENT
型と土の間に隙間が無いようにしないと、鈴木先生の熱い
こぶしが飛んできます。
僕のは一応お世辞かしら、合格点をいただけましたよ。

そしてパーツパーツの接合部分に接着剤の役目の土をつけ、
型を合わせていきます。
D&DEPARTMENT
合わさりました!これもただ合わせるのではなく、決まった場所があり
ずれないように、またはめ込んだ土が落ちたりずれたりしないように
配慮が必要です。画像はまだ合わせただけですので、これから
内側を滑らかにしていく作業に入ります。型をあわせた部分や飲み口の部分。
足りない部分には土を付け足し、でこぼこした部分は指で平たく、
入念な指先での仕事です。
この飲み口の部分は鈴木さんも一番気を使うとおっしゃって
いました。やはり人の口に直接触れる部分。その感触如何で
印象が全く違うからだそうです。確かに、飲み物を飲む器の
口の感触が悪いと、あまり使わなくなりますよね?きっと。
使う人のことをやはり考えて作ることが一番なのですね。

しばし器を乾燥させ、ついに型を外します!
D&DEPARTMENT
外した型。そして、
D&DEPARTMENT
外された器!フリーカップができました。
この感動!参加者のみなさんから沸きあがる「お~」という歓声。
自分の作ったものが一番よく見えるのは僕だけでしょうか?
「隣の芝生は・・・」とはよく言いますが。

本当はもっと細かい工程や、使った道具、その土の表情などを
撮影してもらったのですが、残念です。

実際に自分たちが販売しているものが、どういう風に作られているのかを
知ることはとても大事だと思いますが、それを体験したり見ることは
簡単ではありません。自分たちの目で、手でそれを求めて時間や
労力をかけないとできないことも多いです。
今回は近くで、このように物作りを体験できたことは本当にラッキーでした。

そして、今回の鈴木さんの器に関して、思ったことは
「なんて手間と時間がかかるんだ!」と、いうことでした。
作業の早い人でも一つのカップを作るのには15分くらいかかるそうです。
1時間では?一日では?成型だけではない、他の作業もあわせると一ヶ月でどれくらい?
と考えると、とてつもない作業のように感じました。それを販売している僕たち。
覚悟ということではありませんが、そういったことを知っていて販売するのと
知らないのとでは、ちょっと感覚が違ってきます。
本当に勉強になりました。そしてとても面白かったです!

約1年半前、メトロクスでも鈴木さんとスリップウェアの伊藤さんの展示会
開催させていただきました。その際、鈴木さんにはスライドレクチャーを、
伊藤さんにはスリップウェアのワークショップをして頂くことができました。
そのときの参加された皆さんからは喜びの声しか聞こえませんでした。
今回の皆さんもきっと同じだったように思います。二ヵ月後の完成が
本当に楽しみです。
鈴木さん、そしてD&Dの野口さん、みなさん。ありがとうございました。
また、次回も機会があれば是非参加したいです。
もちろん、メトロクスでも開催する際は是非ご参加くださいね!

最後に、昨年メトロクスで開催した「鈴木稔と伊藤丈浩の器」の様子はこちら⇒
鈴木稔さんの製作工程を紹介した特集ページはこちら⇒
伊藤丈浩さんの製作工程を紹介した特集ページはこちら⇒

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