近藤昭作「竹のあかり」がある空間
こんにちは。メトロクス・タカダです。
今日は、近藤昭作氏の「SKランプ」について過去にどういった空間で
使われていたのか、少しだけご紹介をさせていただこうと思います。
まずは、近藤昭作氏についてです。
近藤氏は竹を用いた照明づくりの第一人者で、工業デザインの考え方を
取り入れつつ、素材の特性を活かしたその制作のプロセスや彼の理念は
今日のクラフトデザインに大きな影響を与え続けており、国内外で高い
評価を受けています。
実は「SKランプ」は、もともと「竹のあかり」シリーズとして1960年代にデザイン
され、照明メーカーのヤマギワで発売されておりました。
メトロクスで復刻生産した形以外にも、近藤氏が手がけた照明はたくさん
の種類があり、特注で作られたものをはじめ、個人のお宅や全国各地の旅館、
お食事処などに使われています。
皆さんもどこかで一度はご覧になっているかもしれません。
例えばこちら。
「SKランプ」半月型のもとになった形です。
長野の温泉旅館、バーカウンターで使われています。
次にこちら。
こちらは「SKランプ」山型の形をしてます。
伊豆半島にある温泉宿の広間で使われています。
壁付けや置き型のタイプもありました。
そのほか、過去のブログでご紹介した、新宿にある郷土料理のお店
「くらわんか」でも近藤氏の照明がたくさん使われています。
「竹のあかり」シリーズは残念ながら、2008年に職人の高齢化により
生産中止となりましたが、2015年に別府の若手職人へ原寸大の展開図を
もとに編み起こす製法を継承し「SKランプ」というかたちで復刻が実現しました。
その照明の大きな特徴としては、まずなんといっても
成型アクリルを竹で編みながら挟み込んだ一体型のシェードです。
点灯時は、白く発行するアクリル面と竹の隙間から漏れる
柔らかな灯りが調和します。
そして、竹部分は、年月が経つにつれて、味わい深いあめ色
に変化していきますので、そういった変化も楽しみの一つです。
竹の表面となる光沢がある部分が、シェードの内側にくるように
編み込むことで、より光を拡散しやすい構造となっています。
是非、一度、店頭で実物に触れてみてください。
※写真の引用は「竹のあかり-近藤昭作の仕事-(里文出版/写真:松藤庄平)」
よりさせていただいております。
今回、一部だけご紹介いたしました、近藤氏が手掛けた照明が使われている
写真について、もっと詳しく見てみたいという方は、是非こちらの本をチェック
してみてください。
この本の制作の際には、近藤先生ご自身もカメラマンや出版社の方と同行
して取材されていたようで、ところどころに近藤先生が映り込んでいます。
おすすめですよ。